ホラー

主演ジョシュ・ハートネット[強い!速い!グロい!!]至高のB級ヴァンパイア映画『30デイズ・ナイト』R-15❘※頑張る彼らに「何で?」は禁句です


原題『30 Days of Night』2007年製作

──白銀の世界を取り憑かれたように進む男。遂に、最北の町に“ヴァンパイア”を連れて辿り着く…。町の住民は日没を前に慌ただしい。これから30日間は太陽が沈んだままの極夜を迎えるからだ。しかし、静寂に包まれると思われた町で無惨な変死体が発見される。そして、断末魔の叫び、雪の町を染める生血。ヴァンパイアが蔓延る町は…

出典:Sony Pictures Entertainment Official YouTube Channel『30 Days of Night』Trailer

<span class="fz-12px">ゆきお</span>
ゆきお

本作『30デイズ・ナイト』は、いわゆる1作目は合格点でも続編が失敗パターンの1作目の方である。『トワイライト~初恋~』のような美しいヴァンパイアは出ない。アクション炸裂の『ブレイド』とも少し違う。それでも主演ジョシュ・ハートネット。謎の男をベン・フォスターってのも観る価値ありの逸品だと私は思う。良い顔しているベン・フォスター、途中退場するのが惜しい。そして、ヴァンパイアのビジュアルも強烈で、人間に襲い掛かる姿はゾンビ!グロさを求める人には刺さる作品だろう。欠点と言えば、30日間にわたる戦いに見えない節がある。切迫感を伝える描写が弱く、伏線を回収する気もないから良くも悪くも気楽だ。私的には、序盤で軽く触れた粉砕機が終盤のアレで意味を成した事は有難い。

ここから先は、映画『30デイズ・ナイト』結末ネタバレありのストーリーを綴ります。(本編1時53分)

また、下記の時間表は、あくまでも目安です。

アラスカ州最北の町バローに、今冬も極夜がやって来る。
30日間も太陽が昇らない現象は、この町の保安官エバン(ジョシュ・ハートネット)にも自然なこと。

町外れから中心部に戻ると、車いじりをする偏屈者ボウ(マーク・ブーン・ジュニア)を見掛けた。
引っ越してしばらく経つが、まだ住民と打ち解けない偏屈オヤジには「駐車禁止だ」も会話の糸口だ。

この日は、子供が悪ふざけしたであろう黒焦げの携帯電話も発見。
少しの気苦労はあるが、人口560人ほどの町に大きな事件は起きない…はずだった──

同じ頃、町の中心部には住民が集まり、暗くなる前に約120km先の隣町へ向かう者は車を走らせる。

空港から飛行機に乗る者は、町に残る家族や友人といつものように再会を約束して別れた。
エバン(ジョシュ・ハートネット)の妻ステラ(メリッサ・ジョージ)も、仕事を終えれば発つつもりだ。

町に近づくよそ者(ベン・フォスター)が、得体の知れない恐怖を連れてくるなんて思いもしない──

保安官事務所から、愛犬家のジョン宅で事件が起きたと無線が入る。
直後には「事故に遭った… 空港まで送ってよ」と、ステラ(メリッサ・ジョージ)から電話が。

気まずい妻の送迎は同僚で友人のビリーに任せ、エバン(ジョシュ・ハートネット)はジョン宅へ。
そこで惨殺された犬たちを見て愕然とする。

復讐を誓うジョンの妻アリーに犯人逮捕を約束し、次はヘリコプター操縦士ウィルソンの元へ。
「操縦桿にプロペラも盗みやがった 頼むよエバン!誰がこんな事を?」

同じ頃、雪原に建つ発電所には凶暴なソレが現れ、職員のガスが人知れず犠牲になった──

町の住民が集うイコズ・ダイナーは、いつもと違って切迫した雰囲気だ。
女店主ルーシーに不穏なよそ者(ベン・フォスター)が要求するのは、血の滴る生肉ハンバーガー。

凄まれて絶体絶命のルーシーを、立ち寄ったエバン(ジョシュ・ハートネット)が救う。
そこに、最終便を逃したステラ(メリッサ・ジョージ)も揃い、この不穏な男を保安官事務所に連行。

悪日を嘆く夫婦に「これからさ」と囁くよそ者(ベン・フォスター)の言葉通り、新たな犠牲者が──

保安官事務所で働くヘレンは、エバン(ジョシュ・ハートネット)の祖母。
彼の15歳の弟ジェイク(マーク・レンドール)も、平和な町のここで時間を潰していた。

こじれた夫婦関係の修復に消極的な孫(兄)と違う二人は、ステラ(メリッサ・ジョージ)との再会を喜ぶ。
その様子を、エバン(ジョシュ・ハートネット)は黙って見ている事しか出来ない──

異変は、素性を話そうとしないよそ者(ベン・フォスター)との根比べが始まろうとした時に起こった。

保安官事務所だけでなく町中の明かりも消え、エバン(ジョシュ・ハートネット)は停電復旧のため発電所へ。
そこで無残な最期を遂げたガスを見つけて衝撃を受ける彼は、住民に避難を呼びかけて回る。

しかし、犬たちを惨殺され悲嘆に暮れるアリーが犠牲になってしまい夫ジョンも深手を負う──

保安官事務所では牢屋に入るよそ者(ベン・フォスター)が、ステラ(メリッサ・ジョージ)たちを煽る。
その挑発に乗って絶体絶命のピンチに陥る弟を救い、牢屋へ突き進むエバン(ジョシュ・ハートネット)。

だが「“最悪な奴ら”を連れて来た」とだけ豪語するよそ者(ベン・フォスター)はその正体を明かさない。
そして、凄まじい形相で「お前は おしまいだ… みんな 死ぬんだ!」と発狂する──

町外れで働く者を心配するエバン(ジョシュ・ハートネット)は、ステラ(メリッサ・ジョージ)と雪道を急ぐ。
すると、何かが見えた二人は車をバックさせるが、驚異的な怪力を持つソレは飛び掛かって来た。

どうにか町の中心部に戻った頃、保安官事務所で待っていた祖母ヘレンから助けを求める無線が入る──

急いで向かうエバン(ジョシュ・ハートネット)は、おびただしい血が残った所内に愕然。

ただ一人残った、虚ろな顔のよそ者(ベン・フォスター)は「仲間にしてくれなかった …殺してくれ」と。
だが、エバン(ジョシュ・ハートネット)に芽生えた殺意をステラ(メリッサ・ジョージ)が止めた──

二人はイコズ・ダイナーに向かい、違う場所では人間狩りを待ちわびたヴァンパイアが集結する。
遂に、ボスであるマーロー(ダニー・ヒューストン)の呼びかけに無数のヴァンパイアが共鳴。

突如として現れた不気味な化け物を狙う銃声と、恐怖におののく人間の悲鳴が雪の町に轟く。
そして、銃など役には立たず、無情にも人間はヴァンパイアの餌食に──

数名の住民が隠れるイコズ・ダイナーに、ステラ(メリッサ・ジョージ)たちが駆け込む。
そこに祖母の姿はなかったが、エバン(ジョシュ・ハートネット)は弟と再会できた。

しかし、荒ぶる獣みたいに、人間を食いちぎる不気味な化け物に困惑する住民たち。
銃弾を浴びても死なず、次々とゾンビのように湧く奴らを葬る手段は誰にも分からない。

イコズ・ダイナーが襲われるのも、時間の問題だと判断したエバン(ジョシュ・ハートネット)。

数名の住民を防壁のある民家に移動させ、彼とステラ(メリッサ・ジョージ)は危険を顧みずに町を偵察する。
案の定、格好の獲物になるところを、除雪機を乗り回す偏屈者のボウ(マーク・ブーン・ジュニア)が救う──

防壁がある民家に辿り着いた三人は、小さな明かりをつけた屋根裏部屋で身を寄せ合う住民と合流する。

誰もが気力をなくし、祖母の死に様を話す弟ジェイク(マーク・レンドール)は絶望していた。
だが、エバン(ジョシュ・ハートネット)は、生きる事を諦めていない。

同じ頃、ヴァンパイアのボス・マーロー(ダニー・ヒューストン)が、保安官事務所に出現。
そして、絶好の狩り場を教えてくれたよそ者(ベン・フォスター)をあの世に送ってやる──

町を襲うヴァンパイアの咆哮が響き、誰もが不安と恐怖に押しつぶされそうだった。
すると、エバン(ジョシュ・ハートネット)は、隣町に通じる配管路を目指すことを約束。

だが、視界を奪う吹雪を待っている間も、屋根裏部屋で身を寄せ合う住民はまた絶望を味わう。

町を彷徨う一人の女性が助けを求めている。
ソレが罠だと気づいたエバン(ジョシュ・ハートネット)は、外へ出ようとする者を阻止。

狩り尽しを目論むヴァンパイアが放った囮だろうとも、彼女を救えない無力さに誰もが絶望する。
果敢に救出に向かうエバン(ジョシュ・ハートネット)も、悲痛な叫びを聞く事しか出来なかった──

自分を呼ぶジョンに気づいたエバン(ジョシュ・ハートネット)は、彼の家に近づく。

だが、妻と犬たちが犠牲になったジョンもまた、腹を空かせたヴァンパイアに変わろうとしていた。
人間の意識が僅かに残る彼を撃てなかったエバン(ジョシュ・ハートネット)は、決死の覚悟を決める。

そして、振りかざした斧でジョンの首を切り落とし、ステラ(メリッサ・ジョージ)たちの元へ戻った──

疲弊したエバン(ジョシュ・ハートネット)が深い眠りに落ちている間に、また悲劇が起きる。
屋根裏部屋から抜け出し、一人で隣町へ行こうとするアイザック

年を取り認知症を患う父を、息子ウィルソンステラ(メリッサ・ジョージ)が必死に止めた。
しかし、アイザックは二人の目を盗んで外に出てしまい、父を追ったウィルソンも犠牲に。

アイザックだけでなく、ウィルソンも止められなかった罪悪感に苛まれるステラ(メリッサ・ジョージ)。
そんな妻にエバン(ジョシュ・ハートネット)は優しく寄り添う。

「家族を思う気持ちは誰にも止められない、ステラだって同じことをするだろう」──

激しい物音が聞こえた屋根裏部屋に緊張が走るが、それは待ちに待った吹雪の到来だった。
誰ひとり取り残される事なく、スーパーマーケットに着いたエバン(ジョシュ・ハートネット)たち。

まだ数日は明けない極夜を乗り切るためのクッキーや缶詰、武器になりそうな物もリュックに詰める。
「極夜中は、お菓子を断つ」そう妻と約束した事を話すダグが、店内で聞こえる異様な物音に気づく。

他の者たちも手を止めて音のする方へ行くと、人間を貪り喰うヴァンパイアに変わり果てた女の子がいた。

エバン(ジョシュ・ハートネット)もカーターも敵わず、ボウ(マーク・ブーン・ジュニア)が加勢。
ステラ(メリッサ・ジョージ)も加わり、壁に押しつけた女の子に斧が振り下ろされる。

女の子を絶命させた、15歳のジェイク(マーク・レンドール)は震えが止まらない──

頼りだった吹雪が止んでしまい、町にヴァンパイアが出現するのも時間の問題だ。
誰もがヴァンパイアの目を潜る方法を考えていると、カーターが立ち上がった。

女の子ヴァンパイアと戦った彼は囮になるつもり。
だが「奴らが太陽に弱いなら、見舞ってやれば?」と、ステラ(メリッサ・ジョージ)が割り込む。

物語のようにヴァンパイアの弱点なら、祖母ヘレンが使っていた室内栽培用の紫外線ランプは有効だ──

ただ一人、外へ飛び出した囮役のエバン(ジョシュ・ハートネット)は、自宅に戻り発電機を稼働。
罠とも知らずドアを開けた女ヴァンパイアは、紫外線ランプの眩しさに苦しみながら黒焦げに。

だが、マーロー(ダニー・ヒューストン)に発電機を破壊され絶体絶命の危機は続く。
すると、無線で状況を知ったボウ(マーク・ブーン・ジュニア)が、お節介な保安官を助けに行く決心を。

ロジャー通りにやって来ると重機(溝堀り機)でヴァンパイアを轢き、刃で切り落とし、撃つ。
そして、ダイナマイトに火をつけて決死の覚悟で戦った。

しかし、涌き出るヴァンパイアに囲まれたボウ(マーク・ブーン・ジュニア)は、無惨な死を遂げる──

失意のエバン(ジョシュ・ハートネット)が、ステラ(メリッサ・ジョージ)たちが待つ保安官事務所に。
彼女たちと行動を共にしていたダグも犠牲になり、皆が落ち込んでいるとカーターが告白する。

「あの子に咬まれて …喉が渇くんだ」と、ヴァンパイアに変わろうとしていた。

極夜の前から実家に帰省したカーターの妻子は、元気だと思っていたエバン(ジョシュ・ハートネット)。
だが、真実は実家に向かう途中で交通事故に遭い、もうこの世にはいなかった。

あとを追う事も考えたが、死にきれなかったカーターは今が逝く時だと。
彼の望みを聞き入れた、エバン(ジョシュ・ハートネット)が斧を振り下ろす──

極夜27日目。

エバン(ジョシュ・ハートネット)は、向かいの家で光が点滅しているのに気づく。
友人ビリーだと確信してステラ(メリッサ・ジョージ)と向かうが、そこで痛ましいものを見る。

力無く床にしゃがみ込むビリーと、ベッドの上で布団をかぶって動かない彼の妻子。
ビリーは自分にも銃を向けたが弾詰まりを起こし、死にきれずに救いを求めて懐中電灯を点滅させた。

罪悪感に苛まれるビリーを抱えて戻ると、所内にいたはずのルーシーデニース、そして弟が消えている。
きっと、吹雪が起きたから配管路に向かったのだと考え、三人のあとを追って先を急ぐ。

すると、一人で歩く幼いゲイルを見つけて、抱きかかえるステラ(メリッサ・ジョージ)。
エバン(ジョシュ・ハートネット)はヴァンパイアを引き付け、ビリーも逃げ出して三人は散り散りに。

それぞれが配管路での再会を信じて進むが、震えるビリーの背後には──

配管路に辿り着いたエバン(ジョシュ・ハートネット)は、弟たちと無事に再会。
しかし、ステラ(メリッサ・ジョージ)とゲイルの姿はなく無線で呼び掛ける。

聞こえて来たのは返答ではなく、ビリーを尾行した男ヴァンパイアの咆哮だった。
配管路まで辿り着いたビリーのため、エバン(ジョシュ・ハートネット)は斧を振りかぶるが敵わない。

すると、もう後がないその時、ビリーの体当たりで男ヴァンパイアは粉砕機に巻き込まれ絶命した。
だが、喉を食いちぎられ悶え苦しむビリーが、ヴァンパイアの咆哮をあげると誰もが困惑。

友人をラクにさせたエバン(ジョシュ・ハートネット)は、斧を持って立ち尽くす──

ステラ(メリッサ・ジョージ)から、配管路まであと少しの場所に居ると無線が入る。
しかし、周囲にはヴァンパイア。隠れている車の下は凍えるほど寒く体力は限界だ。

エバン(ジョシュ・ハートネット)は「助けに行く… 明日には日が昇る 一緒に眺めよう」と、勇気づける。
だが、人間を一人たりとも生かす気はないヴァンパイアは、町に石油を垂れ流して火を放ってしまう──

ヴァンパイアに喰われるか?焼死するか? 決断を迫られるエバン(ジョシュ・ハートネット)。

すると、注射器を手にしてビリーの元に向かい、皆が生き延びる方法を選ぶ。
そして、ヴァンパイアと対等の力を得れば倒せると信じてビリーの血を自分に流し込む。

ジョンカーターも咬まれた でも、人間の意思はあっただろ ジェイク…お別れだ」

ルーシーは人間でなくなるエバン(ジョシュ・ハートネット)に怯え、デニースも殺そうとする。
だが、皆を守ろうと身を尽くす兄を、弟のジェイク(マーク・レンドール)が守った──

ヴァンパイアのボス・マーロー(ダニー・ヒューストン)に、戦いを挑むエバン(ジョシュ・ハートネット)。

取り囲むヴァンパイアたちは、まだ人間らしさがあって無様にやられる姿に咆哮する。
左手を折られ悶絶するエバン(ジョシュ・ハートネット)に、飛び掛かるマーロー(ダニー・ヒューストン)。

絶命したのは、頭まで貫く豪快な右ストレートを浴びたマーロー(ダニー・ヒューストン)だった──

ボスを失ったヴァンパイアが静まり返ると空が白み始め、長かった極夜が明ける。
だが、夫の変化に気づいたステラ(メリッサ・ジョージ)は悲しくてやり切れない。

約束通り夫婦は朝日を見に行くが、エバン(ジョシュ・ハートネット)は苦しそうに目をつぶった。
れでも、ステラ(メリッサ・ジョージ)をしっかりと見つめて、彼女に抱かれながら黒焦げて灰になる──