ホラー

人類未踏の洞窟は生き永らえる地底人の巣窟だった!絶望を知り復讐鬼と化す女の凄惨サバイバル映画『ディセント』⇒続編『ディセント2』|R-15


原題『The Descent』2005年製作

──夫と娘を亡くしサラは、何事にも無感動で趣味もやめていた。しかし、夫の口癖である“日々を大切に”するため、ジュノたちと国立公園内にある洞窟探検へ。そして、思った以上のスリルを感じられた最高の時間は…崩落により地下3000メートルに閉じ込められる悲劇に一変。SOSも届かず恐怖と怒りで顔を歪ませるが、望みを捨てずに出口を探すしかない。すると、得体の知れない何かがサラたちの近く…。

出典:Lionsgate Movies official YouTube channel『The Descent』Trailer

<span class="fz-12px">ゆきお</span>
ゆきお

英国インディペンデント映画賞で最優秀監督賞。SFファンタジー&ホラー・アカデミー主催のサターン賞ホラー部門では作品賞を受賞したシチュエーション・ホラーの傑作『ディセント』(ちなみに同年ノミネート作は拷問系の『ホステル』や『ソウ3』、死の運命に翻弄される…でお馴染みの人気シリーズ『ファイナル・デッドコースター』他)。登場人物はアクティビティ好きの女6人と大所帯の地底人。落盤事故+未知の生物との遭遇で6人は極限状態だ。『ミラーズ』でも告白しているが、私は疲れた時に“考えなくてよい”ホラー映画を観る。生死を懸けた戦いと怒りをまとった“人間あいつ”に思わず唸る『ディセント』は、やはり面白くて勢いで『ディセント2』まで観てしまった。厳しい意見も多い続編だが私は悪くないと思っている。しかし、わざわざ分けるような大それた話でもないから併せて紹介しよう。折角だから人間あいつら”がどうなるか見届けて欲しい。

ここから先は、映画『ディセント』結末ネタバレありのストーリーを綴ります。(本編1時間39分)

また、下記の時間表は、あくまでも目安です。

気の合う友達とラフティングを楽しんむサラ(ショーナ・マクドナルド)同行する夫ポールと娘ジェシーも笑顔

しかし、家族が乗る車は交通事故を起こしてしまう。
生き残ったサラには、ジェシー誕生日パーティーもポールの悩みを聞くことも出来ない。

泣き崩れるサラベス(アレックス・リード)が抱きしめ、ジュノ(ナタリー・メンドーサ)もむせび泣く──

あの事故から一年が経ち、サラは疎遠になっていた友情を取り戻そうと決心。
今も悪夢を見る不安定な状態だが、再会した友達とアパラチア山脈に位置する国立公園内でコテージ泊。

このケイビングを計画したジュノ、スリル好きのホリー(ノラ=ジェーン・ヌーン)を誘った。
初対面のサラの事情も知らず、観光客向けボアム洞窟なんて暇潰しくらいの気持ちだ。

しかし、その道中は誰もが感嘆する景色で、野生の厳しさも目の当たりにする。

辿り着いたボアム洞窟は縦穴で、自信家のジュノからロープで降下。
はしゃぐホリーは一気に下りると、ハンディカメラで撮影再開。

ポールたちが亡くなった時に、傍にいてあげられなかった事を謝るジュノ
責める気はなくても居た堪れない気持ちのサラは、1人で洞窟内を見て回ると狭い横穴を見つけた。

違和感を覚えるベスに「ガイド本は当てにならない」と言い返すジュノ、目の前のスリルを楽しむ。
そして、先陣を切ったホリーがクリアし皆を呼んだ──

最後尾のサラ(ショーナ・マクドナルド)が、アクシデントに見舞われる。

不気味な音と落ちる砂。身動きの取れないサラベス(アレックス・リード)が引っ張り出す。
三か所あるルートの一つが崩落し、道具を入れたザックを手放すしかなかった予期せぬ事故。

しかし、ここがボアム洞窟とは思えないベスジュノ(ナタリー・メンドーサ)真実を問い詰める。

「…危険のない人生なんて無意味でしょ ここは未踏の洞窟、私たちが発見者になるの」
ジュノサラのため”ではなく自己満足のために、皆を危険なケイビングに巻きこんだ。

入洞届はボアム洞窟で提出したため、万が一の場合も捜索は期待できない。
最悪の嘘に騙されて、腹を立てるホリー(ノラ=ジェーン・ヌーン)にも不安が押し寄せる。

身勝手を非難するベスに「あの事故で、皆が何かを失った」と、思いの丈を伝えるジュノ
ずっとサラを気に掛けてきたベス「…無事に連れ出して」と、言葉を絞り出す──

出口を探すうちに、落ちたら一溜まりもない崖に出た6人。

覚悟を決めたベス天井に指を引っ掛け、手元に残った僅か固定器具カムを打ちながらロープを張って行く。
それを頼りに1人ずつ向こう側へ渡り、最後のジュノも九死に一生を得た。

未踏の洞窟だと思ったが、天井は誰かが打ち込んだ一本のハーケン。
人間が訪れたであろう形跡に、6人は地上に戻れると希望を持つが──

ライターの火が風に揺れ、一心不乱に走り出したホリー(ノラ=ジェーン・ヌーン)が縦穴に落下。
医学生のサム(マイアンナ・バーリング)に応急処置してもらうが、もう自力では歩けない

真っ暗な洞窟の中で、誰もが疲弊。
懐中電灯で奥を照らすサラ(ショーナ・マクドナルド)の「人間を見た」なんて思い込みも信じない。

ひたすらに出口を探す6人は広い空間辿り着くが、一面を埋め尽くすのは動物の骨。

風も止み押し寄せる恐怖に大声で助けを呼ぶと、ベス(アレックス・リード)の後ろに何かが⁉
天井を這って消えて行くのを見た全員が、“あれは人間じゃない”と戦慄する──

化け物に襲われた6人は散り散りになり、自力では歩けないホリーが餌食に。
救いたいジュノ(ナタリー・メンドーサ)鋭いピッケルで立ち向かうが、1人では倒しきれない。

引きずられるホリーを見失い立ち尽くすジュノに、背後から近づく気配。

凄まじい勢いで振り返ったジュノは、化け物ではなくベスピッケルを突き刺してしまう。
「行かないで」と微かな声で呼ぶベスの手には、後ずさるジュノのペンダントが──

袋小路に入った医学生サムと姉レベッカ(サスキア・マルダー)は、化け物が通り過ぎるのをじっと我慢。
洞窟が棲み処の化け物は、微かな音に反応するが盲目だと気づいた。

その後、絶体絶命の危機に陥ったところをジュノに救われた姉妹は、ホリーベスが化け物の犠牲になったと知る。

迷い込んだ食事場息を潜め続けたサラは化け物が去った隙に、死んでるホリーの足から副木を外し松明にして脱出。
そして、「サラ…」と呼ぶ、瀕死のベスを見つけ──

はぐれた皆を探すジュノ(ナタリー・メンドーサ)の声を聞いていたサラ(ショーナ・マクドナルド)
きっとジュノなら手を尽くすと信じているが、ベス(アレックス・リード)は首を横に振った。

「近づかないで、ジュノにやられて置き去りに 彼女を信用しないで…」
ジュノいつも付けているペンダントを握っていたベスは、何も知らないサラに謝る。

サラの夫ポールジュノの不倫も、彼がペンダントを贈った事も知りながらずっと黙っていた

事実を知ったサラはショックを受けるが、ベスを置き去りになんて出来ない。
しかし、化け物の咆哮が聞こえ、サラには生きて欲しいベスが「どうか、一思いに」と覚悟。

涙を呑んでベスにとどめを刺したサラは、襲ってくる化け物を凄まじい勢いで殺し覚醒する。

同じ頃、崖下の地底湖にたじろぐサム(マイアンナ・バーリング)は強引に天井を進むが絶命。
それを見て嘆く姉レベッカ(サスキア・マルダー)も背後から捕まり、ジュノの目の前で喰われる──

覚悟を決めて飛び込んだ地底湖から這い出るジュノサラに救われた。

「死ぬのを見た?」と、姉妹ベスことを聞かれて無念の表情で頷くジュノ
そして、気持ちを抑えて洞窟を進んだ2人は、大量の化け物と壮絶な戦いを始めた。

けたたましい咆哮も止むと、サラは化け物の血で汚れた手を拭きジュノの前に。
戦い抜いたジュノは、向き合うサラが持つピッケルとペンダントに動揺した。

静かだった洞窟に再び咆哮が響くと、気が逸れる一瞬を逃さないサラが振りかぶる。
ピッケルを足に突き刺されて逃げ遅れたジュノを、大量の化け物が取り囲んだ。

絶叫するジュノから遠ざかり、差し込む光を見つけたサラは遂に地上へ。
しかし、一心不乱に森を駆け抜けて助かったはずが、置き去りにしたジュノと娘ジェシーが目の前に。

再び、真っ暗な洞窟で目覚めたサラの悪夢は終わっていない──